道端にある謎のカゴの正体…あの特産品に重要なものだった!

道端にある謎のカゴの正体…あの特産品に重要なものだった!

こんにちは!
宮古島に移住した宮古猫です。

宮古島を散歩やドライブしていると、ふと道端に2個のカゴが吊るされているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?

私も何度も視界に入っていたのですが、よく分からずスルーしていました。

なんとなく、

畑の近くだから虫除けかな?
ヤシガニを捕る仕掛けかな?

くらいにしか思っていませんでした。


しかし!このカゴ、実は宮古島の特産品には欠かせないものだったのです!

お土産物としても大人気の宮古島産のマンゴーやゴーヤーを内地で食べられるのは、このカゴがあるおかげなんです。そんな重要なものなのにあまり知られていない謎のカゴの正体について解説します!

謎のカゴの正体

・ハエのサナギが入っている
・島内に190ヶ所設置
・このカゴのおかげでマンゴーやゴーヤーが宮古島から出荷できている


宮古島のマンゴーは持ち出し禁止だった

宮古島の特産品として大人気のマンゴーはお土産や贈答品としても人気が高く、旬の時期になると多くの人が買って内地に送ったり持ち運んだりしていますよね。

でも、宮古島のマンゴーは30年ほど前までは、内地に持ち込みが禁止されていた植物でした。


その原因は「ウリミバエ」という害虫で、ハエの幼虫がマンゴーなどウリ類の実を食べる虫です。日本本土には生息していないため、ウリミバエが生息する沖縄県全域と鹿児島県の奄美群島からのウリ類の持ち出しは禁止されていました。

マンゴーの他にもパパイヤ、ゴーヤー、きゅうりなど、沖縄でもたくさん栽培されている植物が該当していました。


ウリミバエの根絶

沖縄県では県産品の出荷が解禁されるために1972年からウリミバエの根絶を目指し、1993年に完全に根絶したとされています。宮古島では1987年に完全根絶されています。

その方法は人工的に不妊化したウリミバエを大量に放流して、徐々に子孫を減らしていくという地道なものでした。

最近「進撃の巨人」でそんな話を見たような…。


ウリミバエの根絶までに沖縄全域と奄美群島に放たれた不妊虫は約625億匹!壮大な事業だったことが伺えます。

ウリミバエの混入の恐れが無くなったマンゴーやゴーヤーは、県外への出荷も解禁され、今では日本中で食べられるようになりました!

宮古島の主要な特産品のマンゴーも、この根絶事業がなければ島の中でしか食べられない貴重なものだったかもしれませんね。


カゴが重要な役割を果たしている

さて、気になる道端のカゴですが、これも宮古島の特産品に関わる重要な役割を果たしています。

30年以上前に宮古島からウリミバエは根絶されているとはいえ、再発生が1匹でも確認されると再びマンゴーやゴーヤーなどウリ類の島外出荷が禁止されてしまいます。

そのため宮古農林水産振興センターが定期的にカゴの中に不妊虫のサナギを設置し、ウリミバエの再侵入を防いでいます。


サナギは自然にハエに成長するので、時期によってはカゴの周りにハエがブンブン舞っていることもあります。

宮古島内に190ヶ所も設置されているので、島のあちこちで見られますが、くれぐれも触ったり外したりしないようにしましょう!


まとめ

宮古島の道端にある謎のカゴについてまとめました!

謎のカゴの正体

・ハエのサナギが入っている
・島内に190ヶ所設置
・このカゴのおかげでマンゴーやゴーヤーが宮古島から出荷できている


美味しいマンゴーがたくさんの人に味わってもらえるのも、こういった見えない努力があったからこそなんですね。

ありがたや〜。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!