宮古島特有の風習|移住者してみて知ったこと

宮古島特有の風習|移住者してみて知ったこと

宮古島に数年住んでみたからこそ分かった、宮古島特有の文化を紹介します!
(一部沖縄本島や石垣島でも同じ文化もあります。)
旅行や移住で宮古島に来る前には覚えておいた方が便利な情報ですので、ぜひチェックしてみてください。


オトーリ

宮古島の人はお酒が好きで、飲む量も多い!という話は有名ですが、宮古島の文化の代表といっても過言ではないのが、「オトーリ」というお酒のルールです。

もともとは貴重だった泡盛を、みんなで平等に分けようという目的で始まった飲み方です。


オトーリのルール
①まずピッチャーに泡盛の水割りを作っておきます。
②「親(1人)」「子(親以外の全員)」という役割を決めます。
③親は起立して口上を述べます。
 (口上は新年の抱負、今日集まってくれて嬉しいなど参加者へのメッセージ)
④親がコップに酒を注いで子に渡し、酒を受け取った子は全て飲み干します。
⑤④を参加者全員に繰り返します。
⑥最後の子は酒を飲み干したあと、そのままコップに酒を注ぎ親に返します。
⑦親も酒を飲み干してお礼を述べ、次の親を指名します。

③〜⑦を延々と繰り返します。


オトーリ専用のグラスも販売されていて、親が優しい人だと女性にはお酒を少なめに注いでくれることも(?)

宮古島の人は飲み会では必ずと言っていいほどオトーリを始めますので、解散するころには泥酔状態になります…。

観光客でも居酒屋でとなりの席のオトーリに巻き込まれることもあるので、お酒が弱い方は注意が必要です。
ルールを知った上で参加するようにしましょう!


もやい

「もやい」は沖縄本島では模合・モアイと呼ばれている風習です。
昔は銀行から庶民がお金を借りづらかったため、仲間たちでお金を出し合ってまとまったお金を手に入れようという「助け合い」の精神から生まれた文化です。

仕組みとしては、毎月もやい仲間たちでお金を出しあって、集めたお金をその月の当番の人が受け取れるという流れです。

例えば、
①5人の仲間が集まりました。
②毎月1人1万円ずつ出し合います。(合計5万円)
③その月の当番の人は5万円もらえます。
④翌月は翌月の当番の人が5万円もらえます。

つまり仲間全員が毎月1万円を支払う代わりに、5ヶ月に1回5万円をもらえるということです。

一般的には同級生や職場の仲間たちで「もやい仲間」を結成し、1人1万円で行う場合が多いです。
もやい仲間で月に1度集まるのも定番となっていて、その飲み会では必ず上記のオトーリも始まります。

経営者たちのもやいになると、「100万もやい」と言われる100万円ずつ出し合うおそろしい金額のものもあります。

宮古島のコミュニケーション方法でもあり、経済活性化にも繋がっていると言えますね!


お祝い

移住して驚いたことは、宮古島ではとにかくお祝いが多いことです。
沖縄以外でも結婚祝いとか誕生日会とかあるし普通じゃん?
と思って甘くみていました!

それも、ちょっと居酒屋で集まって飲み会、なんて軽いものではないのです。
基本的に祝われる人の自宅で開催され、親戚一同や同級生など数十人以上が集まって行われる大規模なものばかりなのです!

宮古島で一般的なお祝いとしては、

・ナーフィー
子供の名付け祝い、誕生をお祝いする。

・100日祝い
生後100日をお祝いする。
昔は生後間もなく亡くなってしまう赤ちゃんも多かったため、100日を超えられたことへのお祝い。

・小学校の入学祝い
入学式のあとに開催される。入学した児童の自宅に招かれる。

・高校の卒業祝い
卒業式のあとに開催される。
この時期になると「祝!卒業」と書かれた泡盛が販売されるのですが、お祝いされる卒業生はまだ未成年なはず…(笑)

・成人祝い
成人式のあとに開催される。
この頃になると子供たちも友達と集まって遊びに行きたいので、だいたい成人した本人はお祝いの場にいない(笑)

ナーフィーや100日祝いは日程が重なることは稀ですが、入学祝いや卒業祝いは各家庭で同じ日に行われるので、知り合いが多い人は20分ずつ顔を出してお祝いをハシゴするなんてこともあります。

お祝いを行う家では、大人数が集まっても良いように、大量のお酒や食事(刺身・オードブルが多い)を準備します。

またお祝いの参加者は3000円の祝儀を持参して、1500円分のお礼(お米券などの金券)をもらうというのが定番化しています。
3月・4月はお祝いシーズンなので、宮古島ではオードブルやお米券がバカ売れするそうです。

宮古島の人たちは、みんなで集まったり飲んだりするのが本当に好きなんですね〜。


結婚式が大規模イベント

最近は結婚式を挙げないカップルも増えてきましたが、まだまだ宮古島では盛大な結婚式が多いです。
それもかなり大規模で、300人〜400人程度の参加者がいる結婚式がスタンダードとされています。

職場の同僚、中学の同級生、知り合いの知り合いにいたるまで、たくさんの人でワイワイするのが宮古島の結婚式です。

日本では一般的には友人の結婚式のご祝儀は3万円とされていますが、宮古島は普通は1万円です。

間違えて3万円を包んで行くと驚かれてしまうので、くれぐれもご注意ください。(笑)


高校入試は親戚で行く

なぜか宮古島の高校入試には、親だけでなくおじぃ・おばぁや親戚もついていきます。
もちろん試験中はそばにはいませんが(笑)

試験の間のお昼の時間になると、受験生とその親戚が一緒にお弁当を食べるという謎な風習があります。
遠足じゃないよ?と思いますが、受験生を応援したい親戚たちの気持ちなのでしょうか?

もちろんそんなに多くの人が受験会場である教室には入れないので、お弁当は体育館でみんなで集まって食べます。
このために仕事を休む人も多く、高校受験の日はちょっとしたお祭りムードに包まれます。


祝日

宮古島に限らず沖縄県では、日本の国民の休日とは別の祝日があります。
もちろん祝日なので、学校はおろか多くのお店や市役所までもが休みになります。

・旧十六日祭(旧暦の1月16日)
あの世のお正月の日としてお墓にお供え物をする。

・シーミー(旧暦の4月)
みんなでお墓に集まって料理を食べる。

・慰霊の日(6月23日)
1945年のこの日に沖縄戦が終結(司令部の自決による)したとされており、沖縄戦犠牲者を追悼する日とされている。正午には黙祷を行う。

・旧盆(旧暦の7月13日〜15日)
旧盆3日間を迎え日・中日・送り日と言い、特に送り日が重要なので親戚一同が集まる。

など。

平日なのに市役所が閉まっている!
なんてことにならないように、事前に知っておきたいところです。


まとめ

宮古島の風習について移住者の目線でまとめてみました。
他にも細かい違いはたくさんあるので、住めば住むほど面白い島だな〜と感じます。

結論、みんなで集まってワイワイすることが大好きな島民性なんだな!
と思います。(笑)

最初は驚くことも多かったですが、「郷に入っては郷に従え」ですね。
旅行や移住で宮古島に来た際は、独特な風習に触れて楽しんでもらえたら嬉しいです!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!